ANA国内線【PR】

世界を僕らの手に取り戻すために


『ザ・コーポレーション』という映画の試写に行ってきた。
この映画は、一言でいえば「大企業の正体、性格を暴く」
ことを目的に製作されたもの。
カナダの二人の監督による共作のドキュメンタリー映画だ。

「企業とは?」という設問を追い、
ギャップの不当労働疑惑や、ボリビアの水道民営化への民衆の反乱、
ロイヤル・ダッチ・シェルの公害問題に、インドの遺伝子組み換え食品問題などなど、
大企業による様々な問題にフォーカスする。

映画監督のマイケル・ムーアや、MIT大学の教授、ノーム・チョムスキーなど、
アンチ・グローバリゼーションの代表的著名人のコメントをはさみ、
様々な人物の証言や、現場の状況を映し出す。
一方では企業側の社長の反論などもあり、必ずしも一方的な内容ではない。
(と言いつつ、製作意図が意図だけに、どうしても偏るのだけど)

この映画によると、企業を一個の人格、人間として精神医学に当てはめると、
完全なサイコパス(反社会性人格障害)にあたるらしい。
その性格の歪さ、不条理さが浮き彫りになる話だ。

あまりに高度に成長し、その存在そのものがモンスターのようになった大企業は、
もはや市場と株主と経営者ですらコントロールのできない存在。
この映画に収められているのは、氷山の一角だけど、はっきり言って、
現在の世界の問題のほとんどが、大企業の問題に端を発しているといっても過言ではないはず。
利益を追求するために活動する「ザ・コーポレーション」という怪物は、
戦争、南北格差、環境汚染、資源の枯渇などなど、様々な問題を生みながら、
とどまることをしらない。

しかし、我々に何も手がないわけではない。
デモや製品のボイコットだって、その初めの一歩だ。
より多くの人が、真実を知り、声を上げれば必ず何かが変わる。
一番の問題は、あまりに多くの人間がその問題を知らず、
また知っていたとしても自分には関係のないことだと無関心を決め込んでいること。
ヒステリックなアンチ・グローバリゼーションはやっぱりどうかと思うけど、
少なくとも現状を知り、自らの態度を決めることはやはり必要だと思う。

ここ一年くらいで、こういった問題に興味を持ち、
様々なメディアに触れてきたけど、知れば知るほど、空恐ろしい問題だ。
一番大事なのは自分自身が傍観者ではなく、当事者なのだという意識だろう。
正直、この映画自体は少し冗長すぎる部分もあったけど、
それも、取り上げるべき問題があまりに多岐に渡っている何よりの証拠。
高度資本社会主義の中で、我々がどう生きるべきかを考えるきっかけになる一本だ。

【本日のBGM】
THE POP GROUP 『For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder』

そんなわけで直接関係ないけど怒りの一枚。
強靭なサウンド。まさにFUNK to PUNK。
フロントマン、マーク・スチュアートの政治性は、未だ衰えず。

by en-large | 2005-11-15 02:17 | 映画